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東アジア青年交流プロジェクトのブログ

尖閣諸島を考える 孫崎享さん講演録③

②からのつづき わたしは現実主義だけでなく複合的相互依存をめざすべきだといっている。イスラエルとシリア、インドとパキスタンのような状態では戦争の可能性を残してしまう。象徴的事例でいえば第二次大戦後のフランスとドイツのような関係が必要。敵対国…

尖閣諸島を考える 孫崎享さん講演録②

①からのつづき 尖閣問題で「棚上げ」合意があったかどうか。わたしはあったと思っている。だがそれをいうと「国賊」だといわれる。2012年12月の『アジア時報』で栗山尚一(72年当時外務省条約課長)という人が『尖閣諸島と日中関係』という論文を書いた。そ…

尖閣諸島を考える 孫崎享さん講演録①

いまの日本は怖い時代に入ってきた。『少年H』に「おかしいことをおかしいと自由に発言できなくなった」という一節がある。これは戦前の日本の話だけではない。いまの日本、特に脱原発の運動への弾圧がそうなっている。「世界がギシギシ音を立てて崩れてい…

中国の自然エネルギー(世界一の風力発電) 知足章宏さん講演録②

①からのつづき その他の再生可能エネルギーでは太陽熱温水器の設備容量も世界一です。雲南省の昆明市は建物の屋上が太陽熱温水器で埋め尽くされています。高層建築物には建築一体化でほぼ義務付けられています。拒否すると理由を報告しなければいけません。…

中国の自然エネルギー(世界一の風力発電) 知足章宏さん講演録①

中国の公害の現場などに行き、深刻な汚染を目の当たりにしてきました。中国の環境問題には二面性があります。一つは深刻な産業汚染です。ガン発症率が高く非公式含めて459村の「癌村」が報告されています。上海から内陸部へ「汚染リレー」が進行しています。…

中国関連の戦後補償問題の概観  墨面氏講演録③

②からのつづき 本国の中国では戦後補償の裁判は受理されない。戦後賠償で関わる案件で受理された2件は個別の案件。広州で日本に侵略されたときに船を供出させられ沈められた賠償を求める裁判で船主が勝利した。同じような裁判がもう1件あったのみ。日本では…

中国関連の戦後補償問題の概観  墨面氏講演録②

①からのつづき これに加えて、2007年、西松建設との裁判の高裁で勝利したものの最高裁で敗訴したとき、判決文章のなかに「日中共同声明では、中国人の個人請求権はない」と書かれた。最高裁の判決は非常に強い拘束力を持つ。その後の強制連行裁判も同じ根拠…

中国関連の戦後補償問題の概観  墨面氏講演録①

サンフランシスコ講和条約・日米安保条約とセットで締結された日華条約は、その後の日本の戦後賠償の原型をつくった。その内容は(日本側からいえば)賠償放棄。日本が払った賠償は、韓国に対する有償・無償の5億ドルを含めて1兆円。軍人恩給は毎年2兆円規模…

日中関係と民間交流 鈴木英司氏講演録④

③からのつづき よく「未来志向の日中関係」と言われるが、加害の側が言うと「過去は忘れてくれ」と受け取られる。枕詞に過去の歴史を忘れずにとつけるべき。他者の痛みをわかったうえで外交を進めることが大切。歴史認識では、日本は戦前のことを自ら総括し…

日中関係と民間交流 鈴木英司氏講演録③

②からのつづき 国交正常化の話。一番大きな問題は戦争状態の終結と台湾問題だった。周が声を荒げて怒ったのもこの場面。日本が台湾と結んだ日華平和条約で戦争終結問題は「処理済み」と主張したことを「中国に対する侮辱」と怒った。そこで大平外務大臣は姫…

日中関係と民間交流 鈴木英司氏講演録②

①からのつづき いまは国交正常化45年のなかで最悪の状況。79年の平和友好条約以降、自民党内ではなんとかやってきたのに、民主党政権で問題が発生した。尖閣問題への見通しが甘すぎた。野田首相は、胡錦濤主席に戦略的互恵関係の強化を伝えたわずか2日後に尖…

日中関係と民間交流  鈴木英司氏講演録①

「遠くの親戚よりも隣の他人」どうし仲良くしなければいけないのに日中関係は尖閣の問題でうまくいっていない。「殴られるんじゃないか」という雰囲気さえしている。NPOの調査結果で、中国への印象が「よくない」「どちらかといえばよくない」と答えた日本人…

東アジアとは何か?―民衆中心の東アジアをいかに創るか? 徐勝氏講演録⑤

④からのつづき 東アジアとは日本中心の地域秩序だと考えてもらえればいいと思います。「東アジアとは日本のことだ」と言っている学者もいます。アジアという道をヨーロッパの帝国主義者たちが歩いてつくったとするならば、東アジアという概念は、日本がこの…

東アジアとは何か?―民衆中心の東アジアをいかに創るか? 徐勝氏講演録④

③からのつづき この二重構造のなかで植民地支配が形成されました。差別の問題というのがよく出てきます。差別の根源は非常に長く、根が深いかもしれませんが、今日におけるさまざまな差別の根源は、文明と野蛮の二元的な世界観から生まれていると思います。…

東アジアとは何か?―民衆中心の東アジアをいかに創るか? 徐勝氏講演録③

②からのつづき さきほど主催者が東アジア青年交流プロジェクトについて「世界というのは広すぎるので、まず東アジアだ」というふうにおっしゃいましたが、私はそういう理解の仕方はよくないと思っています。とくに日本にとっては、東アジアの地域概念、歴史…

東アジアとは何か?―民衆中心の東アジアをいかに創るか? 徐勝氏講演録②

①からのつづき 「平和と相生」とレジュメに書きました。共生と相生というのは同じ意味ではありません。私は共生という言葉が嫌いです。共生というのは、生態学的な用語ですが、日本社会において「共生」といっていることにまやかし、詐欺性への怒りを覚えま…

東アジアとは何か?―民衆中心の東アジアをいかに創るか? 徐勝氏講演録①

今、若者たちには展望できる未来というものがほとんどなく、新聞離れを通り過ぎ、テレビも観ない、インターネットも限定されたごく少数とのコンタクトで、それも自分勝手な「つぶやき」に終始しています。新自由主義に対する批判や怒りは通り越して、いまや…

台湾の青年政治運動

張智程さん(台湾国立政治大学法律研究所修士) ――台湾の民主運動はどう展開されていますか? 反メディア独占のデモがおこなわれたり、主要大学で学生ユニオンを結成したり、都市公社による住民強制退去への抗議活動、反原発運動などが盛んです。反メディア…

日朝ピョンヤン宣言11周年のつどい

2013年9月17日 主催:日朝市民連帯・大阪 7月に南北朝鮮でおこなわれた平和行動に参加したメンバーの訪韓報告・訪朝報告を聞きました。訪韓団は7月25日~28日、訪朝団は7月23日~30日の滞在期間で、いずれも7月27日の朝鮮戦争休戦協定締結日に平和行進をして…

新外交イニシアティブ(ND)設立記念パーティー

2013年8月11日 東京 レストランALASKA アカデミー賞を二度受賞したオリバー・ストーン監督とアメリカン大学のピーター・カズニック准教授のトークショー「オリバー・ストーンと語る もうひとつの日米関係」が第一部、第二部で参加者の歓談がありました…

平和の灯を!ヤスクニの闇へ2013キャンドル行動

2013年8月10日 在日本韓国YMCA 今年の催しは、過激な妨害行動が予想されたため会場探しに大変苦労されたようです。在日本韓国YMCAが会場となったことを情けなく思いました。会場は満席になり上階で同時中継を見ていました。韓国の遺族、フィリピンの被害者を…

日中民衆交流の可能性と課題

2013年8月2日 大阪市大社会人大学院公開シンポ 講師は昨年『中国の市民社会』(岩波新書)を著した李妍焱教授。 日中市民社会ネットワーク(CSネット)の代表として中国と日本の市民社会をつなぐ活動をしています。中国吉林大学外国語学部卒業後は共産党中央…

設立あいさつ(代表・服部良一)

いま、日本の政治が非常に右傾化し、平和リベラル政治勢力が衰退しています。国会だけでなく、領土問題によって若者を含む民衆の意識が民族排外的になっています。若者はというと、非常に厳しい雇用環境のなかで使い捨てにされ貧困の連鎖から抜け出せない者…