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東アジア青年交流プロジェクトのブログ

日中関係と民間交流  鈴木英司氏講演録①

 

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 「遠くの親戚よりも隣の他人」どうし仲良くしなければいけないのに日中関係は尖閣の問題でうまくいっていない。「殴られるんじゃないか」という雰囲気さえしている。NPOの調査結果で、中国への印象が「よくない」「どちらかといえばよくない」と答えた日本人は昨年度より5.8%増えて90.1%。中国では28.3%増えて92.8%。日中双方が9割を超えたのは初めて。安倍首相の靖国参拝は、日本側は「かまわない」が46%、「私人ならかまわない」27.5%で7割強が容認。中国側は「公私とも参拝すべきでない」が62.7%。私的参拝も含めた容認は15.5%減って29.4%。これだけ認識の乖離がある。

 中国とはどんな国か。世界第2位の経済大国になりましたが、国民1人あたり所得は世界第100位、75%以上が農民。北京や上海だけが中国の姿ではない。49年に革命が成功して65年に文化大革命。いまの中国につながる改革開放政策は78年の鄧小平から。まだ35年。鄧小平の先富論は中国の経済成長を実現させたが、地域格差―特に内陸と沿海、農民と都市労働者の差、そして拝金主義を生んだ。いまは党幹部の汚職問題や環境問題が焦点化されている。新しい中国がつくられるなかでの問題を批判するのは簡単。中国共産党は走りながらこの問題を解決せざるを得ない。

  胡錦濤は和諧社会の実現を打ち出した。農民と都市労働者、出稼ぎ問題、環境問題。三農(農業・農民・農地)問題の解決策に、農村と農村の間に中間都市をつくり高速鉄道で結び生活向上をはかることにした。環境問題は、中国の4種の文明(精神文明、物質文明、政治文明、生態文明)のなかに位置づけられた。習近平もこれまでの政策を継続して、年間6.8%以上の経済成長を実現させるだろう。この30年間で年9%を超える成長をした結果、格差はあっても国民生活は向上した。世界の大国の道を進む中国とわたしたちはどうつきあうべきか考えないといけない。

 

②へつづく