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東アジア青年交流プロジェクトのブログ

日中関係と民間交流 鈴木英司氏講演録④

③からのつづき

 よく「未来志向の日中関係」と言われるが、加害の側が言うと「過去は忘れてくれ」と受け取られる。枕詞に過去の歴史を忘れずにとつけるべき。他者の痛みをわかったうえで外交を進めることが大切。歴史認識では、日本は戦前のことを自ら総括してこなかったから多くの国民が歴史を共有できていない。しかし今からでも遅くない。中国にとって歴史問題は決して消すことのできないテーマ。親戚や友だちを失っていない中国人はいない。日本では10年ひと昔というが中国では100年がひと昔。尖閣諸島の問題と一緒に取り組まないと日中関係は決してうまくいかない。

 現状を理解し、歴史を勉強し、相手の痛みを知ることが相互理解、相互信頼、相互尊敬につながる。日中は隣国。共同認識をもち、共同発展をしていくべき。日中関係は好き嫌いで判断すうのではなく、絶対に必要な国Needで判断すべき。中国との民間交流はどの国よりも重要。国の交流が動脈なら民間交流は静脈。動脈がだめになれば命は危機にさらされるが、静脈が機能していれば動脈は簡単にはだめにならない。昔は政治家交流、経済交流、文化交流ぐらいしかなかったが、この時代には地域間の交流、青年交流が重要。相手に対して心を開き、謙虚に学び、理解し、敬意を払い尊敬することが、必ず両国の信頼につながる。

 

おわり