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東アジア青年交流プロジェクトのブログ

2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

中国関連の戦後補償問題の概観  墨面氏講演録③

②からのつづき 本国の中国では戦後補償の裁判は受理されない。戦後賠償で関わる案件で受理された2件は個別の案件。広州で日本に侵略されたときに船を供出させられ沈められた賠償を求める裁判で船主が勝利した。同じような裁判がもう1件あったのみ。日本では…

中国関連の戦後補償問題の概観  墨面氏講演録②

①からのつづき これに加えて、2007年、西松建設との裁判の高裁で勝利したものの最高裁で敗訴したとき、判決文章のなかに「日中共同声明では、中国人の個人請求権はない」と書かれた。最高裁の判決は非常に強い拘束力を持つ。その後の強制連行裁判も同じ根拠…

中国関連の戦後補償問題の概観  墨面氏講演録①

サンフランシスコ講和条約・日米安保条約とセットで締結された日華条約は、その後の日本の戦後賠償の原型をつくった。その内容は(日本側からいえば)賠償放棄。日本が払った賠償は、韓国に対する有償・無償の5億ドルを含めて1兆円。軍人恩給は毎年2兆円規模…

日中関係と民間交流 鈴木英司氏講演録④

③からのつづき よく「未来志向の日中関係」と言われるが、加害の側が言うと「過去は忘れてくれ」と受け取られる。枕詞に過去の歴史を忘れずにとつけるべき。他者の痛みをわかったうえで外交を進めることが大切。歴史認識では、日本は戦前のことを自ら総括し…

日中関係と民間交流 鈴木英司氏講演録③

②からのつづき 国交正常化の話。一番大きな問題は戦争状態の終結と台湾問題だった。周が声を荒げて怒ったのもこの場面。日本が台湾と結んだ日華平和条約で戦争終結問題は「処理済み」と主張したことを「中国に対する侮辱」と怒った。そこで大平外務大臣は姫…